2008年2月に全国集会開催を予定していた日教組が、参加者の宿泊と集会会場の使用について2007年5月にグランドプリンスホテル新高輪と契約を結んだ。
しかし、ホテル側は同年11月に一方的に契約を解除。
これに対し日教組は契約解除の無効を求め東京地裁に仮処分を申請する。
東京地裁はこれを認め2008年1月に契約解除を認めない仮処分決定を行なった。
ホテル側は東京高裁に抗告するが、これは棄却されている。
グランドプリンスホテル新高輪は周辺住民や医療施設、受験生などへの配慮を理由に仮処分には従わず、その結果、日教組は集会を開けなかった。
というのが今回の件のおおまかな流れ。
ホテル側の言い分は、
同ホテルのHPの「お知らせ」で公開されているが、いかにも後付けの理由という雰囲気で説得力はない。
そもそも「日教組の集会」と「右翼の抗議」の組み合わせはある意味お約束のようなもので、この点については契約時点で十分に予想されていたはずである。
大口の契約を結べるので喜んで飛びついたものの、「なんだかヤバそうだ」ということで慌てて解約したというのが実情ではないだろうか。
法治国家に暮らすからには司法判断は絶対なわけで、それに従わないことは認められない。
ただし、仮処分申請は最終決定ではなく、それに従わずに、その後に相手側から起こされる訴訟への判断が下されるのを待つという選択肢もある。
(この選択肢がモラル的にどうかというのはまた別問題である。)
残念ながらグランドプリンスホテル新高輪は、この選択肢を選んでしまった。
今回の件について言えば、日教組は当然訴訟を起こすだろうし(実際、2008年3月14日に日教組は3億円の賠償を求めて訴訟を起こした)、日教組の訴えが認められる可能性も高いが、ホテル側としてはその場合でも金銭で解決できるという考えがあったのかもしれない。
この件については、東京都港区が旅館業法違反の疑いで調査に乗り出しているので、その判断も気になるところである。
ホテル側に有利な判断が下されないことを祈る。
ただし、違反事実が認められたとしても、得られる結果は、例のごとく明確な罰則の伴わない行政指導。
仮処分に従わなかったという事実がすでにあって、それに対して賛同する意見と反対する意見が出尽くしている感がある現状では、ホテル側にとってそんな指導は痛くも痒くもない。
また、日教組の賠償請求が認められたとしても、ホテル側にとっては大きな損害とはならないだろう。
最悪の場合、ホテル側の釈明が一般に受け入れられ、今後、他のホテルにも司法軽視の風潮が広まってしまうかもしれない。
posted by planetoid at 11:58|
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